「XRPがFedNowに統合」の正体 決済基盤Volanteの既存のRipple連携が再発見された話
8月23日から「XRPがFedNowに統合された」という投稿が日本語圏でも広がった。元をたどると、米決済インフラ企業Volante Technologiesが以前から持っているRipple連携が改めて注目されたもので、FRBがXRPを採用したという公式発表はない。Volante自身の公表値と、界隈の受け止めを整理する。
「XRPがFedNowに」 その中身を確かめる
8月23日から「XRPがFedNowに統合された」という投稿が英語圏・日本語圏の双方で一気に広がった。元をたどると、米国の決済インフラ企業 Volante Technologies が以前から持っている Ripple 連携が改めて注目されたもので、米連邦準備制度(FRB)がXRPを採用したという公式発表があったわけではない。何が事実で、何がまだ確認できていないのかを整理する。
Volante Technologies とは何をしている会社か
Volante Technologies は、銀行が複数の決済網につなぐための中間層(ミドルウェア)を提供するクラウド企業。同社の米国向けページには、ACH・Fedwire・FedNow・RTP・CHIPS・Zelle、そしてSWIFTのクロスボーダーを「ひとつのプラットフォームで」扱うと書かれている。
規模については、同社が自社サイトで次の数字を公表している。
- 米国の上位10行のうち7行がVolanteを利用
- 米国の預金量の約66%が Volante Payments Platform を経由
- RTPとFedNowのソリューションを最初に市場投入したと自称
- 世界で85行以上が利用(同社サイトの表記)
そして同社のクロスボーダー決済のページには、対応先として「Rippleから Visa Direct、Visa B2B、Mastercard Send、CBDC、暗号資産まで」と明記されている。つまり Ripple はVolanteのメニューに載っている。ここまでは同社の公表情報で確認できる。
まず落ち着いて読むと「Volanteという一枚の板の上に、FedNowの口とRippleの口が別々に開いている」という話なのよね。同じ板に載ってるのは事実。でも板に載ってることと、2つの口がつながってることは別
「FedNowに統合」と言えるのか
ここが今回いちばん割れている点。Volanteのサイト上では、FedNow・RTPは「米国の即時決済」、Rippleは「クロスボーダー決済」と、別の製品カテゴリに置かれている。同じプラットフォームの上にあるが、XRPがFRBの運営するFedNowの回線を流れる、という書き方はどこにもない。
FRB側からXRPやRippleに関する発表も出ていない。海外メディアのAMBCryptoも「FedNowのサービス提供者としてXRPを位置づける連邦準備制度の公式確認はない」と明記している。
また、Volante と Ripple の連携そのものは今回始まったものではなく、以前から存在していたと複数の海外メディアが報じている。8月23日の拡散は、新しい発表ではなく既存の関係が再発見された形。
Xでの反応
日本語圏でも8月23日夜から24日にかけて、少なくとも8つのアカウントがこの話題に触れていた。速報として素直に受け取る投稿と、出どころを検証しにいく投稿がきれいに分かれたのが今回の特徴。
今回いちばん良かったのは、盛り上がりのど真ん中で「ちょっと待って」を出す人がちゃんといたこと。しかも否定じゃなくて、ソースを並べたうえでの注意喚起。こういうのが増えると界隈は強くなる
これから何を見ればいいか
話を先に進めるなら、確認すべきは次の3つ。どれも「出たか、出ていないか」で判定できる。
- Volante または Ripple から、今回の件についての公式なプレスリリースが出るか
- Volanteを使う銀行のうち、XRPを決済資産として使うと明示する先が出てくるか
- FRB/FedNow側から、参加金融機関やサービスプロバイダの一覧に関わる発表があるか
いずれも現時点では出ていない。出ていないことを「まだ出ていない」と書いておくのがフェアなところだと思う。
Volante Technologies — United States payments(一次ソース)
AMBCrypto — XRP enabled for FedNow, with no official Fed confirmation
出典: Volante Technologies(United States payments)
本記事は公開されている情報をもとにした事実の紹介と、それに対するコミュニティの反応の記録です。 特定の暗号資産の売買を推奨するものではなく、投資助言でもありません。 価格や制度は変動します。投資判断はご自身の責任で行ってください。