CFTC委員長が「全面トークン化への備え」を表明 24時間取引は「一律ではやらない」と明言、Xでは「CFTCが許可した」と誤読も拡散
米CFTCのセリグ委員長が9月22日、ニューヨーク連銀の米国債市場会議で講演し、市場が全面トークン化・オンチェーン金融・24時間取引に備える必要があると述べた。ただし24時間取引については「一律のやり方は取らない」と明言しており、日本のXでは「CFTCが24/7取引を許可した」という誤った要約も広がっている。
CFTC委員長 「全面トークン化に備えよ」
米CFTC(商品先物取引委員会)のマイケル・セリグ委員長が9月22日、ニューヨーク連銀が開いた米国債市場会議で基調講演を行い、米国の市場が「全面トークン化(mass tokenization)」とオンチェーン金融、24時間取引に備える必要があると述べた。講演全文はCFTCの公式サイトに掲載されている。
講演で言われている中身
講演の前半は米国債市場とデリバティブの話で、後半の「Looking Ahead」で先の話になる。セリグ委員長はそこで「昨日の市場を近代化するだけでは足りない。明日の市場に備えなければならない」と述べ、具体的に3つを挙げた。全面トークン化への準備、ブロックチェーンやAIを大規模に採用できるよう既存の枠組みを手直しすること、そして市場参加者がオンチェーン金融と24時間市場に対応できるようにすることだ。
トークン化については「質の高いトークン化担保は流動性をより動的にし、市場の耐性を高めうる」とし、ほぼ即時の決済と、清算機関・仲介業者・最終利用者をまたぐリアルタイムの担保移動が可能になる、という絵を示している。手信号から電子取引に移ったときと同じ変化が全資産クラスで起きうる、という言い方だ。
ステーブルコインにも触れていて、GENIUS法の成立を受けて、今年すでに全国信託銀行が発行する一部のペイメント・ステーブルコインを適格なトークン化担保のリストに加えたこと、担保利用に関するFAQを出して更新を続けていることを挙げている。
そして24時間取引。ここがいちばん誤解されやすいところで、委員長は「多くの市場が連続取引に向かっているからといって、すべての市場が今日その変更をする用意があるわけではない」「私の下では、委員会は24時間取引に一律のやり方は取らない」とはっきり言っている。暗号資産や貴金属は現時点で24時間取引に向きうるが、農産物・エネルギー・一部の金融商品は向かないかもしれない、という区別も明示された。
- 講演日:2026年9月22日、ニューヨーク連銀「2026 U.S. Treasury Market Conference」
- 発言者:CFTC委員長 マイケル・セリグ(本人いわく「委員会全体の見解ではなく個人としての見解」)
- 世界のデリバティブ市場は過去20年でほぼ倍増し、想定元本で1.2京ドル。うちほぼ半分がCFTCの所管
- 米国債先物の1日あたり売買高は、同じ期間に約2,000億ドルから約9,000億ドルへ
- 2026年2月:全国信託銀行が発行するペイメント・ステーブルコインを適格担保に追加(CFTC Letter No. 26-05)
- 2026年5月29日:24時間取引・清算・決済に関する職員向けアドバイザリー(CFTC Letter No. 26-16)
- 2026年6月25日:標準先物の24/7化などについてパブリックコメントを募集
- 今回の講演で新しい規則・承認が出たわけではない
正直、内容そのものは「これまでやってきたことの延長線」で、新しい規則が出たわけじゃない。ただ委員長が公の場で「全面トークン化に備えろ」と言い切ったのは大きいのよね。XRPLが10年以上やってきたことが、規制当局の言葉で説明されるようになってきた
Xでの反応
日本語圏では9月23日の夜にかけて広がった。英語圏の投稿の翻訳から入った人が多く、受け止め方は「XRPLの追い風」と「そこまでの話ではない」で割れている。
一方で「CFTCがトークン化資産の24時間365日取引を許可すると発表した」という形の要約も出回っている。これは正確ではない。今回あったのは委員長の講演で、許可や承認の決定ではないし、講演本文はむしろ「一律ではやらない」側に寄っている。数字や日付と同じで、ここは元の資料を見たほうが早い。
盛り上がるのは分かるんだけど、「許可された」はさすがに走りすぎ。講演を読むと、むしろ慎重に線を引いてる文章なのよね。こういうのは半年後に「あれ、結局何も変わってなくない?」ってなるやつ。自分は但し書きのほうを覚えておきたい
これから何を見ればいいか
講演で名前が挙がっている期日を追うのが早い。SECの米国債清算義務は現金米国債が2026年12月31日、米国債レポが2027年6月30日。委員長はレポの期限前にFCMが顧客資金を使った清算レポを扱えるよう規則を調整するようスタッフに指示した、と述べている。24時間取引のほうは、6月に募集したパブリックコメントがどうまとまるか、そして適格担保のリストにこの先どのトークンが加わるかが具体的な指標になる。
XRPやXRPLの名前は、今回の講演には一度も出てこない。トークン化担保やオンチェーン決済という枠組みの話であって、特定の銘柄の話ではない点は押さえておきたい。
CFTC|Keynote Remarks at 2026 U.S. Treasury Market Conference(2026年9月22日)
出典: CFTC(米商品先物取引委員会)
本記事は公開されている情報をもとにした事実の紹介と、それに対するコミュニティの反応の記録です。 特定の暗号資産の売買を推奨するものではなく、投資助言でもありません。 価格や制度は変動します。投資判断はご自身の責任で行ってください。